こんにちは。
ニワトリを飼育している私達にとって、とても心配で悲しい「鳥インフルエンザ」のニュースが連日報道されています。
- なぜ鳥インフルエンザは殺処分が必要なの?
- 鳥インフルエンザが発生したらどのような対応をしているの?
- もし鳥インフルエンザに感染した肉や卵を食べても大丈夫?
養鶏場で飼育されている何万羽ものニワトリや、アドベンチャーワールドのペリカンなどの殺処分の報道がされています。
今回は、鳥インフルエンザに関する情報や、コウノトリの郷公園で行われている鳥インフルエンザの対策、自宅でニワトリやインコを飼っている方々ができる取り組みなどについてまとめていきます。
鳥インフルエンザとは
鳥類に対して感染性を示すA型インフルエンザウイルスによる感染症が、鳥インフルエンザです。
鳥インフルエンザの原因となるA型インフルエンザウイルスの自然宿主は野生の水きん(カモ)類です。この野生のカモ由来のウイルスが家きんの間で感染を繰り返すうちに、鶏に対して高い病原性を示すウイルスに変異した場合に高病原性という表現をします。
高病原性の鳥インフルエンザは致死率が高い恐ろしい感染症。
そのため、鳥インフルエンザが発生した場合は、家畜伝染病予防法に基づいて、発生した農場の家禽の殺処分を行い、消毒や行動制限など措置がとられています。
ニュースなどでよく見る「鳥インフルエンザが発生した養鶏場では〇〇万羽が殺処分されました」は、以上の理由から実施されています。
現在のところ、日本では鳥から人への感染は報告されていないそうですが、海外では感染の報告がされています。
鳥インフルエンザの感染が確認された時点で、すぐに出荷停止となるため、肉や卵が出回ることはありませんが、心配になる方もいるかと思います。
食品安全委員会は、我が国の現状において、家きんの肉や卵を食べることにより、ヒトが鳥インフルエンザウイルスに感染する可能性はないと考えています。
また、感染の可能性はない科学的な根拠が3つ示されています。
1) 鳥インフルエンザウイルスは熱に弱く、WHO(世界保健機関)によると、ウイルスは適切な加熱により死滅するとされており、食品を十分に加熱調理して食べれば感染の心配はありません。
(2) 鳥インフルエンザウイルスは酸に弱く、ヒトの体内で胃酸等の消化液により死滅すると考えられています。
(3) 鳥インフルエンザウイルスが感染するための細胞表面の受け皿(受容体*)は、ヒトとトリとは異なることから、鳥インフルエンザウイルスはヒトの細胞表面の受け皿と結合しにくくなっています。
普段スーパーなどで販売されている鶏肉や卵は、これまでどおりの安心して買い物ができますね。
2022年に関西で発生した鳥インフルエンザ
関西圏では11月17日現在、以下の3つの感染が確認されています。
- 和歌山県 アドベンチャーワールド(11/11)
- 兵庫県たつの市 養鶏場(11/13)
- 兵庫県姫路市 野鳥(11/16)
アドベンチャーワールド
【臨時休園延長のお知らせ】
アドベンチャーワールドにてアヒル6羽から、家畜伝染病である高病原性鳥インフルエンザの疑似患畜が確認され、11/11(金)より臨時休園しております。防疫対策及び、他の鳥類の経過観察の為、11/13(日)以降も当面の間、臨時休園いたします。詳しくはhttps://t.co/GNWbTrOGXA pic.twitter.com/L9Q0fNWzC2— アドベンチャーワールド 公式 (@aws_official) November 12, 2022
アヒル6羽から鳥インフルエンザが確認され、その後、モモイロペリカンからも感染が確認されたようです。
アドベンチャーワールドに来園された方も多いのではないでしょうか。
愛情をこめてお世話をしていた飼育員さんを思うと、とても胸が苦しくなる思いです。
深い悲しみを抱えながら、ほかの動物たちのお世話もしていると思いますので、くれぐれも体調には気を付けていただきたいと思います。
兵庫県たつの市「養鶏場」
ニワトリ約4万4000羽を殺処分へ 兵庫・たつの市の養鶏場で「鳥インフル」確認 #鳥インフルエンザ #ニワトリ #養鶏場 #たつの市 #mbs #ニュース #関西 #MBSニュースhttps://t.co/BvnY2G9okB
— MBSニュース (@mbs_news) November 13, 2022
現在は、殺処分が終了し、消毒作業が終了した10日後から、半径10キロ以内のニワトリの移動制限が解除されるそうです。
養鶏場の一日も早い復興を願うばかりです。
兵庫県姫路市「野鳥」
ハヤブサの死体から鳥インフル検出 姫路、たつのの養鶏場に続き県内今季2例目 | 総合 | 神戸新聞NEXT https://t.co/jfn9jr6saX
— 神戸新聞 (@kobeshinbun) November 16, 2022
衰弱している野鳥や、死んでいる鳥を見かけた時は、お住まいの市役所や役場へ連絡をお願いします。
コウノトリの郷公園の対策
兵庫県北部の豊岡市にある『コウノトリの郷公園』では、絶滅危惧種に指定されている『コウノトリ』の保護繁殖と野生復帰を支援している施設です。
同じ兵庫県内で発生した鳥インフルエンザの感染を防止するため、観察広場にいるコウノトリを『放し飼い』から『ゲージ収容展示』に変更されているそうです。
また、来場者の方が、鳥インフルエンザウイルスを持ち込まないように、通路で靴底消毒用のマットが敷かれています。
コウノトリを観察される際は、鳥インフルエンザの感染防止に協力しましょう。
ペットの鳥への感染を防ぐには
自宅でインコやニワトリをペットとして飼っている場合は、ゲージや鳥小屋を清潔にしておくことを意識しましょう。
- 水やエサはこまめに替える
- ゲージ内の糞など、こまめに掃除して清潔する
- ゲージや小屋、室内から出さないようにして、野鳥との接触を避ける
また、ゲージの掃除をする場合は、糞などの粉塵を吸い込まないようにするため、マスクと手袋の装着を忘れないようにしてください。
掃除後は、うがいと手洗いをしっかりと行いましょう。
我が家では、小屋から出さないようにして、野鳥や糞などと接触してしまわないように対策をしています。
万が一、あきらかな食欲の減退がある、立てなくなった場合は、近くの獣医師に相談しましょう。
まとめ
関西圏内で発生した「鳥インフルエンザ」に関する情報と、コウノトリの郷公園の対策についてまとめました。
鳥インフルエンザが発生してしまうと、閉園や殺処分など施設や養鶏場にとって大きな影響が出てしまいます。
ニワトリやインコを飼っている方もとても心配だと思いますが、できる対策をしっかりとって、感染防止に努めてください。
鳥インフルエンザの感染が出てしまった施設や養鶏場が一日でも早く復旧し、新たな感染の被害が出ないことを願います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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